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どの業界でも、ビジネススピードの向上は必須課題ですが、薬品研究者や薬品製造者ほどシビアに時間の有効活用を迫られる業界はありません。競合各社の強烈なプレッシャーに加え、新薬はわずか数年でジェネリック医薬品の脅威にさらされます。そのため、従業員の生産効率の向上がそのまま競争優位性に直結する業界構造となっています。
Schering-Plough社の経営者たちは、同社の14000名もの労働力を有効活用するには、イントラネット上に存在する様々な情報に容易にアクセスできる情報検索環境を整えることが必要だと考えました.。他の多くの企業同様に、Schering-Plough社においても、データレポジトリに既に存在している情報を探しだすことが難しく、時間が浪費されていたのです。
複数のデータレポジトリを横断的に検索し、わかりやすいUIで探している情報を見つけるためには、エンタープライズサーチの導入が必要でした。
Schering-Plough社は、エンタープライズサーチベンダーの選定にあたり、定量的なアプローチを採りました。150の要求事項をリスト化し、8つの主要なエンタープライズベンダーに送付したのです。この要求事項に対するレスポンスから、Schering-Plough社は、ベンダーを3つに絞り込みました。
3つのベンダーは、概念実証よりも更に踏み込んだ検証を行うことになりました。社内に存在するDocumentum、SharePointなどの様々なレポジトリや、インターネット上の情報をインデックスし、検索結果の妥当性や、セキュリティへの対応状況、パフォーマンスやUIなどから総合的なスコアを算出することとなりました。
中でもSchering-Plough社が重視したのはセキュリティ機能でした。同社では、検索結果のドキュメント単位ではなく、検索結果が持つ項目(フィールド)単位で、権限を持ったユーザーしか情報を閲覧できないように管理する必要がありました。この要求を満たすことができたのはIBM InfoSphere Data Explorerのみでした。
IBM InfoSphere Data Explorerは 938/1000 という高スコアを記録し、2位のベンダーとも大きな差が開いていたため、Schering-Plough社は迷わずIBM InfoSphere Data Explorerを選択しました。
Schering-Plough社は、IBM InfoSphere Data Explorerの導入をスムーズに行うため、段階的に実装していく手法を採りました。
最初の段階では、以下の内容が実現されることになりました。
・ 6つのDocumentum Docbase
・ 400のSharePoint チームサイト及びポータル
・ Schering-Plough社のローカル及びグローバルイントラネット
・ 8つのネットワークファイル共有
・ 150のインターネットサイト
・ SharePoint上の14000の従業員のプロフィール情報
これらは150万ドキュメントに及び、サイズにして合計475GBとなりました。IBM InfoSphere Data Explorerは、これらのドキュメントを検索するサイトを10週間で構築しました。これは、Schering-Plough社の期待した通りのスピードでした。
初期導入は世界中の70名の従業員によって試用されました。 テストユーザーからは、IBM InfoSphere Data Explorer検索スピード及び検索の精度の評判が非常に良く、また、検索結果のソートや表示件数などパーソナライズが可能な点も高く評価されました。これらの高評価は、検索エンジンの利用率の高さに繋がっていきました。
IBM InfoSphere Data Explorerの導入直後から、検索エンジンの利用率に劇的な変化が見られました。IBM InfoSphere Data Explorerの導入前は1日の検索回数はせいぜい15回程度でしたが、IBM InfoSphere Data Explorerの導入後は、1日の検索回数は125倍の2000回近くにまで増加しました。
IBM InfoSphere Data Explorerを導入したことで、これまで存在すら知らなかった情報にアクセスできるようになっただけでなく、検索に要する時間は劇的に短くなりました。ナレッジワーカーの生産効率性は判断するのが困難ですが、検索に要していた時間が劇的に短くなったことは確かな事実です。これにより、従業員は本来注力すべき重要な仕事に多くの時間を割けるようになりました。
Schering-Plough社をはじめ、製薬業界では情報共有が非常に重要なテーマとなります。この重要なテーマに対し、IBM InfoSphere Data Explorerは検索精度とスピードの向上、適切なアクセスコントロールという解を示しました。
Schering-Plough社では、IBM InfoSphere Data Explorerの更なる活用に向けて、パーソナライズサーチを利用したロールベースの検索機能の提供を計画しています。